試合観戦記(2003年選手権予選)


部活動で得た「何か」を財産に

  ∇1回戦(7月14日:横浜スタジアム)

日大高
11
慶應義塾

[慶]落合、伊藤−鹿内

 これまで私が塾高野球部の試合を見てきた中でショッキングな試合と言えば8点差を逆転された98年秋の関東大会、柏陵高校との試合だった。今回はそこに1試合が新たに追加されてしまった形である。選手達が一生懸命練習し、試合に臨んでいた事は公式HPのレポートを見れば明らかだ。しかし、結果は無惨なものだった。勝ったチームとは何が違うのか?技術面か?精神面か?それとも運が無かっただけなのか?その答えは私にはわからない。いや、推測で言うべき事ではないのかも知れない。けれども、1人のファンとして今回わかった事がある。それは1勝の重みだ。これまでは「塾高野球部→強い→目標は甲子園、全国制覇→だから序盤で負ける筈が無い」という図式が私の頭の中で勝手に作られていた。ところが、それが今回完全に破壊された。
 勿論、神奈川を含め全国各地で強豪校、優勝候補が初戦敗退したという結果は多々目にする。しかし、人間とは不思議なもので身近なところでこういった事態が発生しないとピンと来ないものらしい。96年夏全国制覇の松山商業、00年夏全国制覇の智弁和歌山が翌年県大会初戦敗退を喫しても、遠い所で起こったニュースでしかなく、ハッキリ言って他人事だった。
 日々の努力というのは大切な事だ。そして、これを継続する事は簡単そうで非常に難しい。それだけに結果を目の前にしてやり切れない思いになった。試合終了間際にはあまりの点差に笑うしかなかったが(勿論心の底から笑っている訳が無い)、傷心の選手達が応援席前へ挨拶に来た時は胸が詰まる思いがして視線を向ける事が出来なかった。
 努力とは必ずしも報われるものではない。社会に出れば嫌と言うほどそれを実感する。だが、結果的に報われなくともそれまでのプロセスにおいて何かしら得ている事が殆どだとは思う。塾高野球部3年生の中には今後も野球を続ける部員がいれば、そうでない部員もいるだろう。いずれにせよここまでのプロセスの中で得た「何か」を自分自身の財産として欲しい。3年間お疲れ様でした。

2003年07月15日 19時57分38秒


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